初めてカードローンを借りる際は、誰しもが不安な気持ちになるものです。カードローンは借金ですから仕方のないことですが、計画的にうまく活用すればピンチを救ってくれる救世主にもなります。
そのためには、借りる際に返済のことまで考えておくことが肝要です。
このページでは、初めてカードローン利用を考えている人向けに、おすすめのカードローンや利用前に知っておきたい基礎知識をまとめておきます。
目次
カードローンを初めて使うならコレ!
初めてカードローンを利用するならどこがいいのか、どんな点に注意したらよいのかをご紹介します。
結論は銀行カードローン
まずは結論から。
初めて借りるなら銀行カードローンの中から選びましょう。
銀行カードローンをおすすめする一番の理由は金利が低いからです。
具体的に比較してみましょう。
金利比較(実質年率)
銀行カードローン | |
東京三菱UFJ銀行カードローン | 1.8%~14.6% |
みずほ銀行カードローン | 2.0%~14.0% |
三井住友銀行カードローン | 1.5%~14.5% |
消費者金融 | |
プロミス | 4.5%~17.8% |
アコム | 3.0%~18.0% |
アイフル | 3.0%~18.0% |
※2022年1月現在
上記の比較表をみれば明らかなように、アコムやプロミスといった大手消費者金融だと3%~18%ですが、銀行カードローンになると、2%前後~15%程度にまで低くなります。
具体的に5万円を借りた場合の金利を概算してみましょう。
5万円借りた場合
50,000円×18%=9,000円
年利15%で1年借りた場合の金利
50,000円×15%=7,500円
上記の概算例でいうと1年間の金利差は1,500円です。
もし、5万円ではなく10万、20万と借入額が増えていけば、当然、金利差も大きくなっていきます。
年間の1000円、2000円を「大した金額じゃない」と言われる方もいらっしゃいますが、"どこで借りるか"だけの違いでこのような差が出てしまいます。
初めて利用するのであれば、まずは金利の低いカードローンから申し込むべきです。
銀行カードローンの留意事項
銀行カードローンを申し込む際には2点、留意しておくことがあります。
審査時間を2週間程度見ておく必要がある
銀行も、大手銀行を中心にネット主体のやり取りを充実させてきています。
そのため、申し込んでみたらあっさりと数日で審査が通る場合もありますが、逆に1週間、2週間と審査に時間がかかるケースもあります。
特に、書類を郵送でやり取りするようなことになると、1週間単位で時間がとられてしまいます。
急ぎの場合には適しません。
審査は厳しめ
以前は、銀行カードローンは消費者金融と同等に"借りやすい"金融機関でした。なぜなら、銀行カードローンの審査は保証会社である貸金業者(消費者金融や信販会社)へ丸投げされているケースがほとんどだったからです。
しかし、多重債務者の急増を受け、2016年あたりから「銀行カードローンは貸し過ぎではないか」といった批判が日弁連を中心に沸き上がり、各銀行は審査の厳格化に乗り出します。
参考:銀行等による過剰貸付の防止を求める意見書(日弁連)
結果、現在では、保証会社の審査とは別に各銀行でも審査を行うようになっており、その分審査は厳しめです。
もっとも、定職に就いていて定期収入があり、他の借入状況が悪くなければ、銀行カードローンでも問題なく審査は通ります。
銀行カードローンのおすすめは大手銀行
支店が近くにあるなら、三菱UFJ銀行、みずほ銀行、三井住友銀行といった大手銀行のカードローンがおすすめです。
これらの大手銀行はネットバンキングが充実しており、ネット上で審査の申し込み、借入、返済、増額申請など、すべてが完結可能なシステムを構築しています。利便性に優れているので、地方銀行よりは大手銀行の方が使い勝手が良いと感じる人が多いでしょう。
一方、「大手銀行が近くにない」、「過去に一度も大手銀行と取引したことがない」という人は、取引のある地方銀行や信用金庫が選択肢に入ってきます。
既述の通り、カードローンとしての利便性では大手銀行に一歩譲りますが、今どきはどこの地方銀行もネットバンキングなどの環境はしっかり整っています。中には大手銀行並みの利便性を備えたカードローンもありますから一度確認してみると良いでしょう。
急いでいるなら消費者金融
初めて借りるなら銀行カードローンがおすすめですが、急を要する人は銀行カードローンが適さない場合があります。
その場合、消費者金融が選択肢に入ってきます。
ただ、消費者金融といっても大小さまざま。
日本有数の金融グループに名を連ねるような大手から、町の小さな貸金業者まで千差万別です。もちろん、初めて借りるのであれば名の通った大手が良いでしょう。
大手消費者金融
中小の貸金業者も悪いわけではありませんが、中には闇金まがいのところもあります。大手以外を選ぶ際にはより注意が必要です。
消費者金融のメリットデメリット
ここで消費者金融についてメリットとデメリットをみていきましょう。
消費者金融を利用するメリット
消費者金融を利用する最大のメリットは審査が早いことです。
アコムやプロミスなどの大手だと、ネットで申込から融資まで完結可能で、申込当日の融資が受けられるケースも珍しくありません。即日融資とか当日融資などと呼ばれる融資スタイルです。
もちろんネット環境も便利に整備されており、一部の地方銀行よりは使い勝手が良くなっています。
消費者金融を利用するデメリット
一方、デメリットの筆頭に挙げられるのが金利の高さです。
消費者金融の場合、最初はどこも法律の上限である18%程度で借りることになります。
広告上の表記では「3%~18%」などと表示されていますが、普通の人であれば最初の利率は18%で設定されることがほとんどです。
この点はどの消費者金融であっても同じですから、利率が高いという不満で他を当たってみても大きな改善は見込めません。
金利は高い方を見る
3.0%~15.0%
といったように幅を持たせた表記になっています。
上記の例でいうと、3.0%は下限金利、15.0%は上限金利といいます。
最初に借りる際には、多くの人が上限金利付近での契約となります。
その後、借り入れや返済を繰り返していくうちに限度額が増え、限度額が増えることで金利が低くなっていきます。
カードローンの基礎知識
それでは、カードローンを利用する上で知っておくべき基本情報をまとめます。
カードローンの特徴
カードローンの特徴は以下の通りです。
- 契約後に借り入れ用のカードが発行される
- 各種ATMから借り入れが可能
- 銀行口座への振込融資も可能
- 限度額が設定される
- 限度額内であれば何度でも借入ができる
- 返済状況が順調なら限度額が増額される
一般的な融資の場合、融資額が決定したらその金額分のお金が振り込まれて融資は終了です。融資額が10万円であれば、10万円全額が口座に振り込まれるわけです。
一方、カードローンは融資パターンが若干違います。
カードローンは、契約時に限度額が設定され、その限度額を上限に何度でも繰り返し利用ができます。つまり、
「〇万円までならいくらでも何度でも融資しますよ」
というローン商品です。
例えば、審査時に10万円の限度額(融資枠)が設定されたなら、融資残高が10万円になるまで何度でも借りることができます。
一回で10万円を引き出すのも、1万円を10回に分けて引き出すのも利用者の自由です。もちろん、利息も使った分(=融資残高)に対してかかってくるのみです。
ローンカードは発行企業のATM、もしくは提携ATMで利用でき、コンビニATMなどでもお金を引き出すことが可能です。
また、ネットであれば会員ページから融資を申し込んで自分の銀行口座に振り込みをする、なんてこともできます。※中小の消費者金融を除く
カードローンのメリット
カードローンのメリットは主に二つあります。
ひとつは「利便性の高さ」、もう一つが「自由に使えること」です。
カードローンは最初に契約して融資枠さえもらえれば、その範囲内で繰り返し融資を受けることができます。
「すぐには必要ないけどギリギリの生活だし、、、」
というような人は、カードローンをひとつ契約しておけば金欠時の助け舟になります。
契約だけしておいて1円も借りない、ということもできるわけです。その場合は利息も発生しません。
また、基本的にカードローンは資金使途自由のローンです。
例えば住宅ローンは家の建築にしか使えないローンですし、教育ローンは教育費名目でしか使ってはいけません。
しかし、カードローンは事業性資金以外であれば何に使っても自由です。
※事業性資金・・・事業を展開するためのお金
教育費に使ってもいいし、日々の生活費の足しにするのもOKです。
カードローンのデメリットは?
だらだら借り続けてしまう
限度額内であれば何度でも借りられるわけですから、例えば今月の返済分を借りて返済に回す、というようなこともできてしまいます。
つまり、1万円を返済するために1万円を借りる、いわゆる自転車操業状態になりやすいのがデメリットの一つです。
利息分だけは増えていきますから、強い意志を持って完済を目指さなくてはなりません。
他のローン審査に不利
カードローンの場合、1円も使ってなくても、限度額いっぱいまで使っているとみなされます。
例えば50万円の限度額のカードローンを契約している状態で他のローンに申し込むと、実際に借りている額に関係なく「50万円の借金がある」とみなされて審査されます。
その分審査は不利になりますから、利用目的を果たしたのであれば解約も検討した方が良いでしょう。
滞納は絶対にしない
返済が滞ったり、自己破産したりすると、その情報が「事故情報」として個人信用情報機関に登録されてしまいます。
個人信用情報機関
事故情報が登録されると、最低でも5年は新たな借入ができなくなってしまいます。
住宅ローンをはじめとした各種ローンもダメ、クレジットカードの新規発行もダメ、スマホの機種変更も一括支払いしか受け付けてもらえなくなります。
ちなみに、事故情報が登録される期間は短くて5年間、長い場合だと10年間です。
事故情報の登録期間
返済遅れ・・・5年間
自己破産や個人再生・・・5年間~10年間
返済は何があっても遅らせないように肝に銘じておきましょう。
カードローンの種類
大まかには銀行カードローンと消費者金融の2種類があります。
「金利が低いのが銀行カードローン」「借りやすいのが消費者金融」と言われることもありますが、申込をする人の属性次第で大きく変わります。属性とは、その人の収入や借金、資産といった、財産に関する情報のことを指します。
大企業に勤めて多くの収入があるとしても、それ以上にあちこちから借金しているのであれば属性は良くありません。たとえ消費者金融であっても審査に通るのは難しいでしょう。
また、金利が低いとされる銀行カードローンの審査に通ったとしても、最初は上限の利率が適用されますから15%程度からのスタートとなります。
もし、金利を15%より低くしたい場合には、借り入れと返済の実績を積み上げ、限度額を増額してもらう必要があります。しかし、銀行は増額審査も消費者金融より厳しめです。長い目で見れば、消費者金融の方が限度額の増額をしやすく、結果、金利も下げやすいという側面もあるのです。
このように、銀行カードローンも消費者金融カードローンも状況によって一長一短あります。金利や審査スピードなどの差以外に大きな違いはないと思っておいた方が良いでしょう。
カードローン以外の選択肢
お金を借りる手段はカードローン以外にもいろいろあります。
主だったものをご紹介します。
親兄弟から借りる
一番ローリスクですが、「心配かけたくないから」と親兄弟は頼らない人が多いようです。
会社から前借りする
労働基準法に定められた「非常時」であれば、会社は従業員からの前借りの申し出を断ってはいけないことになっています。
ちなみに、前借りとはすでに働いた分の給料を給料日前にもらうことを言います。「借り」という字を使ってはいますが、会社からお金を借りるわけではありません。
借り入れではないので利息も発生しません。
クレジットカードのキャッシング枠
基本的にカードローンでお金を借りるのと同じことです。
クレジットカードを使ったキャッシングの金利は15%程度です。
保険金の貸付
生命保険の「契約者貸付制度」を利用すれば解約返戻金の7~8割を上限にお金を借りることができます。
自分が積み立てたお金を担保に借りますから、審査もありません。
生活福祉資金貸付制度
自治体の社会福祉協議会が実施する生活福祉資金貸付という制度があります。
貸付期間が最長でも1か月~3か月程度と短いですが、無利息で借りられます。
副業で収入を増やす
不用品をフリマアプリに出品すれば、数万円くらいは稼げる場合もあります。
まとめ
以上、初めてカードローンを利用する人向けに知っておいてほしいことをまとめました。
要点をまとめると、
- 基本的には銀行カードローンで借りる
- 銀行カードローンで間に合わない人は消費者金融で借りる
- 返済遅れは絶対にしない
- 他の借り入れ方法も検討しておく
ということになります。
カードローンは諸刃の剣で、便利なものにも恐ろしいものにもなります。
上手に利用できるよう、正しい認識を持って向き合ってください。